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マスクのインフルエンザ等への予防効果について

マスクはインフルエンザ等への予防の効果があるのでしょうか?

皆さんはどう思われますか?

 

いくつかの検討結果がありますのでご紹介します。

 

マスク単独による予防効果は?

インフルエンザ発症者が家族と一緒の部屋にいるときに、マスクをした場合とマスクをしなかった場合とでは、家族にインフルエンザ様の症状がでた割合は、どちらも約16%で、有意差が認められませんでした。

 

また、医療従事者が、マスクをした場合としなかった場合とでは、その医療従事者が風邪症状を有した日数に有意差は認められませんでした。

 

 

さらに、最近の国内の調査でも、インフルエンザ流行の感染予防効果について、マスクの有無による有意差は認められませんでした。

 

(参考)マスクの種類による効果の差は?

サージカルマスクとN95マスクとでは効果に差はあるのでしょうか?カナダでの調査によれば、インフルエンザ感染予防効果について差はなかったとする報告があります。

 

*サージカルマスク

 不織布の使い捨ての医療用マスク。 花粉症やインフルエンザなどの感染症予防用として市販されている、

 

*N95マスク

 米国労働安全衛生研究所(NIOSH)のN95規格に適合した高機能マスク。0.3マイクロメートル以上の微粒子を95パーセント以上捕集する性能を備え、主に医療機関などで使用される

 

 

手洗い単独による予防効果は?

では、手洗いの効果はどうでしょうか?

 

香港における家庭内での感染に関する調査では、手洗いの有無のみによる有意差は認められませんでした。

 

複合的な感染予防の効果は?

同じく香港における調査において、手洗いとマスクを併用した場合には、家庭内感染の低下が認められたと報告されているほか、アメリカの学生を対象にした調査においても、マスク着用と手洗いの両方の実施が効果的であったと報告されています。 

 

おわりに

以上のとおり、マスク着用と手洗いによる有効性は報告されていますが、マスク単独での予防効果について明確なエビデンスはないのが現状のようです。

 

さて、みなさんはマスクを着用されますか?

 

〇参考文献

 

吉田製薬株式会社『病院感染に関する情報通信(Y’s Letter Vol.4 No.8)」(2018.4.17

 

 

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